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経審ってなに?建設業許可にとって重要な手続き「経営事項審査」

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経営事項審査について解説します。手間のかかる書類作成や提出手順があるので、行政書士に代行を依頼することもできます。

経営事項審査とは

経営事項審査とは、建設業において、公共工事の入札に参加する建設業者の企業規模や経営状況などの客観事項を数値化した、建設業法に規定する審査のことです。略して、経審(けいしん)と呼ばれています。

経審で審査される内容ってどんなもの?

経営事項審査は「経営状況」及び「経営規模等」(経営規模、技術的能力、その他の客観的事項)の2つの項目について、全国一律の基準により、数値によって評価が実施されます。

経常事項審査の項目、および基準は、中央建設業審議会の意見を聴いて、国土交通大臣が定めることになっています。

建設業法の第4章の2に定める「建設業者の経営に関する事項の審査等」にて、「公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならない。」と規定されています。

さらに、第2項では、経営事項審査は、「経営状況および経営規模等(経営規模、技術的能力、その他の客観的事項)について数値による評価をすることにより行う」と規定されています。

また、第3項においては「経営事項審査の項目及び基準は、中央建設業審議会の意見を聴いて国土交通大臣が定める。」と規定されており、制度改正には、必ず中央建設業審議会(中建審)が開催されます。

「経営状況」の分析は、国土交通大臣の登録を受けた者(登録経営状況分析機関)が実施します。「経営規模等」の評価は、国土交通大臣、または都道府県知事が行います。

公共工事を請け負うなら経審が必須

公共工事を受注する予定の建設業者は経営事項審査を必ず受けなければなりません。

建設業法第27条の23第1項の「公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で、政令で定めるもの」については、建設業法施行令第27条の13で定められています。

経営事項審査の総合評定値を客観点として、これに各官庁や地方自治体等の独自の基準である主観点を加算した合計点数で、入札ランクを決定する官庁や地方自治体などがほとんどであるために、この項目別に点数化された客観的な評点は、公共工事の発注者が業者の選定を行う時の資料となっています。

公共工事の受注を予定する建設業者は、経営事項審査を受けることが義務付けられています。

  • 有効期間は審査基準日、決算日から1年7ヶ月間です。
  • 有効期間内に審査事項が変更になった場合は、再審査を受けることになります。
  • 再審査を受けなかった場合、不利益をこうむることがあります。

経営事項審査では、審査行政庁、国土交通大臣、または都道府県知事が定めた添付書類や添付資料を裏付けした資料を基に、審査されます。これは、ペーパーカンパニーや暴力団の関係の建設業者、不適格業者を排除する仕組みを取り入れているためです。

「審査基準日」で各項目を評価するため、審査を申請する日に審査事項が改善していても、審査は「審査基準日における状況」で判断されます。

経審は建設業許可を取得している企業しか受けることができません

経営事項審査は、建設業許可の取得のための審査ではなく、公共工事の受注を希望する建設業許可業者が、各官庁や地方自治体等の入札参加資格審査を受けるためのものです。

経営事項審査は、建設業許可を取得している企業しか受けることができません。公共工事の受注を希望する建設業許可業者が、各官庁や地方自治体などの入札参加資格審査を受けるために審査を受けるものです。

経営状況の分析は国土交通大臣の登録を受けた者(登録経営状況分析機関)が実施して、経営規模などの評価は、国土交通大臣、または都道府県知事が行います。原則として、審査基準日の内容は1回だけですが、建設業の業種の追加で許可を受けたときなど、追加業種については、再度、経営事項審査を受審することが可能です。審査手数料は、追加分だけでなくて、すべての業種数で計算されます。すでに受審済みの数値などは、変更になりません。

経営事項審査のおおまかな流れ

決算変更届・経営状況分析・経営規模等評価申請の3つの手続きを行うことになります。

決算変更届(事業年度終了変更届)

  • 建設業者は決算後4ヶ月以内に前年の事業年度について届出が必要です。
  • この届出は、税務署の確定申告とは別の手続きとなります。
  • 届出は、建設業許可申請をした大臣または都道府県へ行います。

建設業許可を受けた事業者は、毎事業年度終了後、4ヶ月以内に工事経歴書、財務諸表などを「決算変更届」として提出しなければなりません。決算変更届を提出しないと、罰金刑等の対象となる場合もあり、経審が受けられなくなります。必ず法定期限を守らないとなりません。

経営状況分析申請

  • 決算修了後に登録経営状況分析機関へ経営状況分析申請を行います。
  • 登録経営状況分析機関が経営状況分析を行います。
  • 「経営状況分析結果通知書」が交付され、経営状況分析の結果に係る数値が通知されます。

建設業者が国土交通大臣または都道府県知事(審査行政庁)に対して経営規模等評価申請を行います。審査行政庁は、経営規模等評価を行った時は、経営規模等評価の結果に係る数値を通知するために「経営規模等評価結果通知書」を交付します。

経営規模等評価申請

  • 建設業者が審査行政庁に対して、総合評定値の請求を行います。
  • 審査行政庁は総合評定値通知書を交付します。
  • 総合評定値通知書にある評価が、経営事項審査の結果となります。

審査行政庁は、経営規模等評価の申請をした建設業者から請求があったときは、遅滞なく、当該建設業者に対して、総合評定値、客観的事項の全体についての総合的な評定の結果に係る数値を通知します。具体的には「総合評定値通知書」を交付します。

行政書士に相談してできること

審査行政庁は、公共工事の発注者、発注行政庁から請求があったら、当該発注者に対して、当該建設業者の総合評定値を通知します。総合評定値の請求をしていない場合には、審査行政庁は経営状況分析に係る数値を持っていないため、経営規模等評価に係る数値のみを通知すればよいことになっています。建設業者は「経営状況分析」のみの受審でもよいので「総合評定値」を請求しなくてもよいのですが、すべての発注者における入札参加資格審査申請では、総合評定値を求められるために、ほぼすべての申請業者は総合評定値の請求まで行います。経審は様々な申請や届け出を段取りよく進めていく必要があります。法定期限のある届け出もありますし、経審が得られないと公共工事を行うことができなくなってしまいますので、しっかり対応する必要があります。

本業をこなしながら書類仕事もするのは大変な労力が必要となります。行政書士は、建設業に関する書類手続きのほぼすべてを請け負うことができます。もちろん、建設業許可の更新の申請にも対応できます。申請に期限のあるものもスケジュール管理して進めていくことができます。

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